魂ブログ 魂ウェブ商店3月30日受注締め切り「HI-METAL R ブラッドサッカー」 アーミック柳沢氏&企画担当が秘密結社の謎に迫る!
2025-03-20 16:00 更新
秘密結社が開発したAT「ブラッドサッカー」が、HI-METAL Rとなってスコープドッグに牙を剥く! 現在魂ウェブ商店にて受注中、3月30日(日)23時の締め切りを前に、企画協力に携わるアーミック・柳沢仁氏とコレクターズ事業部企画担当とで、開発経緯や初公開となるパッケージまで最新情報をご紹介していきます!
※画像は開発中の試作品を撮影したものです。実際の商品とは異なります。
このブログをご覧の皆様こんにちは。BANDAI SPIRITSコレクターズ事業部HI-METAL R企画担当です。
今回はHI-METAL R『装甲騎兵ボトムズ』シリーズ(以下文中『ボトムズ』シリーズ、AT機体名=商品名)の企画協力をされている有限会社・アーミック柳沢 仁氏のコメントとともに、「ブラッドサッカー」の下記ポイントをお届けいたします。
>魂ウェブ商店「HI-METAL R ブラッドサッカー」受注ページ
【1】「HI-METAL Rブラッドサッカー」開発秘話
BSP企画:『ボトムズ』シリーズは、BANDAI SPIRITSと柳沢氏の「今のHI-METAL Rだからこそできる、次代の原器たるAT」を目標に始まりました。それが第1弾の2024年3月発売「スコープドッグ レッドショルダーカスタム」にて高次元で実現し、「ターボカスタム」「宇宙戦仕様」とスコープドッグ派生機体が商品化されています。
しかし! 本編には魅力的なATが多数登場します、その中から白羽の矢が立ったのが、OVA『装甲騎兵ボトムズ ザ・ラストレッドショルダー』に登場する「ブラッドサッカー」でした。
▲現在受注中の「HI-METAL R ブラッドサッカー」。力強い立ち姿が印象的
柳沢:「ブラッドサッカー」はくさび型や六角形を基調とした、マッシヴでヒロイックなシルエットのデザイン故に、「スコープドッグ レッドショルダーカスタム」で目指した「設定画よりも武骨で箱っぽいシルエット」のコンセプトをどこまで適応させるか、が最初の課題でした。
劇中では暗い場所での戦闘シーンが多く、共通イメージとなるのは胸を張った前後パース設定画稿がほぼ唯一と言えます。まずはこのイメージを損なうことなくHI-METAL Rのバランスに落とし込めるかを模索しました。苦労したのは、前方が絞られている胸部と太い大腿部を収めている腰部(スカート装甲)に極端なくびれ=ギャップを生じさせずにシルエットをまとめる作業です。
▲様々な試行錯誤がなされた頭部設計。ここで挙げた「データ上での印象」だけでなく、立体に出力しての「肉眼で見た印象」を確認も行われている(1→7の順に推敲)
柳沢:また、やや俯いて前方に突出し、各パーツのアウトラインが全て斜めに配置されている頭部も立体では見る角度によって印象がガラリと変わります。設定画の「胸を張って相手を見下す」イメージを全方位で破綻無く再現する為に、頭部位置とバイザー形状は何度も出力検証で調整していきました(上画像参照)。
ただ、この一連の作業は確かに大変ですが楽しくもあります。我々の仕事はデザイナーの意図を汲みながら、ユーザー側の抱く最大公約数を見つけ、一番見栄えの良い立体造形を彫り出す事です。同じ作品ファンとして理想像を追いかけ、それが認められた時の嬉しさがモチベーションになっています 。
【2】シリーズを重ねるごとに高まる執念
BSP企画:このように、独特なシルエットの追求だけでも幾度となく試行錯誤を繰り返しました。もちろん理想シルエットの追求だけで開発は終わりません。ここから更に『ボトムズ』シリーズで追求した可動・ギミック機構を搭載する作業があります。
柳沢:H級ATでありながらスコープドッグよりタイトなコクピット内部も設定通りに再現、付属の可動フィギュアのイプシロンはグリップを握っての着座が可能です。
柳沢:今後の発展性を鑑み、ブラッドサッカーにもスコープドッグ レッドショルダーカスタムにて採用された「肩延長機構」「多方向肘関節」 「3軸手首関節」(下画像参照)を搭載。造形、シルエットが異なるブラッドサッカーながらスコープドッグで実現した「自然な銃器の両手持ち」 アクションができる可動域を持っています。
柳沢:その上で、力の入った設定画の印象を再現する為、前腕は肘側上端と袖口の正面形が並行ではなく手首が内側に入るややトリッキーなレイアウトに。アームパンチ機構は設定画が無い為、劇中描写をくみ取り、このサイズに入る機構として組み込んでいます。
脚部は太い大腿部をコンパクトな降着姿勢に持って行くのが課題で、股間ブロック後側の干渉部を楔形にカットし、リアスカートが中央センサーブロックとそれぞれ個別で跳ね上げる構造です。降着姿勢時に覗く脛装甲裏面には別パーツで内壁パーツも追加しています。
▲特に見所の多い脚部。降着時や可動時に見える内壁部分のディテールも抜かりがなく、足首には「スコープドッグ レッドショルダーカスタム」などに搭載されたものよりも1つ多い多重関節構造が取り入れられている
柳沢:足首関節は前後左右に構造物が折り重なるデザインなので脛側、足首側それぞれに引出関節機構を搭載。あらゆるローラーダッシュポージングでの足裏接地が可能です。また膝やソール部には強度と重量感演出の為ダイキャストパーツを使用し、台座を使用せずともローラーダッシュポーズが安定する効果も狙いました。
全身の可動構造は、初めは強度が担保できているスコープドック系の関節流用も検討しました。しかし外装形状の変化とH級としてのサイズアップもあり、最適化を計って新規造形としています。
BSP企画:全身のシルエット・可動・ギミック構造だけではなく、機体の印象を生み出す「色」「マーキング」といった視覚的な部分にもこだわりが詰まっています。
特に全身の多くを占める機体色は「単純な黒ではない」色味と質感の追求のため、いくつもの成型色サンプルから厳選されていきます。
▲複数の成型色から、製品に採用されるものが厳選される
柳沢:機体色以外では、肩の赤は全体のトーンに合わせ「暗い血の色」のダークレッドに。頭部や胴体部の各所センサー類にはクリアパーツを使用し、マットなボディにキラッとワンポイントを光らせることで精密感を表現しました。全身に施したマーキングは、同じギルガメス軍にルーツを持つスコープドッグと共通性を持たせたオリジナルデザインです。
BSP企画:このように、執念ともいえるこだわりの設計がなされた「HI-METAL R ブラッドサッカー」は本シリーズの特徴である「プロポーション」「可動機構」「設定ギミック再現」「可動パイロットフィギュア着座」「マーキングプリント」等を網羅し、既存アイテムを凌駕するベストアイテムとしてお送りします。
▲最新のパッケージイメージ
BSP企画:こちらが今回初公開となる、イラストレーター・天神英貴氏の描き下ろしイラストを使用したパッケージです。秘密結社の基地内部に突入を試みるキリコ達を迎え撃つ「ブラッドサッカー」の威容と、凛々しくも険しいイプシロンのイラストとで、アイテムの魅力を最大限伝えるパッケージとなっております。お手元に届くのを楽しみにお待ちください!
【3】HI-METAL R『装甲騎兵ボトムズ』今後の展開について
BSP企画:「ブラッドサッカー」開発について一気に説明しましたが、今後の展開としては「TAMASHII NATION 2024」でファッティーの展示・商品化が発表されるなど、『ボトムズ』シリーズはこれからもどんどん展開を拡大していきます。
▲「TAMASHII NATION 2024」でのジオラマ展示
柳沢:このシリーズは、持てる技術の粋を盛り込み「今、HI-METAL Rだから出来る完成品ATコレクションアイテムの集大成」として設計しています。第1弾である「スコープドッグ レッドショルダーカスタム」はもちろん、その後の派生機体にも設計技術やそれぞれの特徴的な要素は付与しています。
更に「ブラッドサッカー」「ファッティー」といった完全新規造形となる機体にも、その機体を表現するために必要な要素は新たに設計して詰め込んでいます。つまり「新規造形されるATにはHI-METAL Rだからこそできる最大限を最初から盛り込む→派生機への展開を可能にしていく」ことで、様々な機体の展開を想定した設計をしているということです。
BSP企画:魅力的で多種多様なATがTVシリーズ、OVA、小説など様々な媒体で登場している『装甲騎兵ボトムズ』。その世界観を立体で表現していくHI-METAL Rの展開に、ぜひご期待ください。
>魂ウェブ商店「HI-METAL R ブラッドサッカー」受注ページ
「HI-METAL R ブラッドサッカー」魂ウェブ商店受注は2025年3月30日(日)23時まで!
日本国内「魂ウェブ商店」に対応しています。
■柳沢仁(やなぎさわ・ひとし)
1968年、東京都出身。有限会社アーミック取締役。ホビーメーカーのコンサルタントや企画~発売までのサポート業務を努める。HI-METAL R『装甲騎兵ボトムズ』シリーズでは商品展開の提案やアイテムごとの造形、機構の総合的なディレクションを担当 。
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※画像は開発中の試作品を撮影したものです。実際の商品とは異なります。