魂の骨格 S.H.Figuarts ウルトラマンタイガ 市野龍一監督インタビュー
2019-11-25 11:00 更新
――市野監督は、この『ウルトラマンタイガ』がウルトラマンシリーズにおける初のメイン監督作品とのことですが。
そうですね。僕は1962年の生まれですから、第一次怪獣ブーム直撃世代でもあるんです。どちらかと言えばヒーローよりも怪獣や宇宙人が好きで、ソフビも怪獣ばかり持っていました。この作品のメイン監督をやらせていただくに当たり、「何かやりたいことはありますか?」と聞かれて話したのは、「怪獣の出自をしっかり作り込みたい」ということと、「宇宙人との接触をきちんと描きたい」ということの2点でした。もちろん人間とのドラマもありますから、毎回けっこう盛りだくさんの内容になっていると思います。
――今回の商品を実際に手に取っていただいて、ご感想はいかがでしょうか。
LSS(円谷プロの造形部=Light SculptureStudioのこと)からスーツやマスクの3Dスキャンデータを借り出して微調整をかけたというだけあって、僕らが撮ってきたタイガと同じ形だなと感じますね。顔も含めて全然違和感がない。背中まできっちり塗装されていますし、尖ったところが尖ったまま再現されているのもいい。メイン監督ということで、デザインにも検討段階から関わっていますし、本編でもタイガ中心のエピソードを撮ることが多くて、色んなものを吹きこんだ我が子のようなキャラクターですから、やっぱり格別の思い入れがありますね。かわいいです(笑)。
――アクションの再現性はどうですか?
第1話からタロウゆずりのスワローキックをやっているように、タイガはキックが映えるウルトラマンとして意識しているんですよ。このフィギュアは股関節が柔らかいので、それが再現できる。プロテクターも、スーツと同じく少し柔らかい素材になっているんですね。このパーツは硬すぎてアクションに支障が出てもいけないし、柔らかすぎてスーツから浮き上がったり、グニャッと曲がるのが目に付きすぎてもいけないので、スーツが出来上がってからも念入りに検証したことを思い出します。胴体にも可動が入っていて胸や腰も大きく動かせますし、胡坐だってかける。すごいですね。もしこれが撮影のときにあったら、イメージ体として机に置いてあってもうまく撮れば気付かないかもしれない。どのみち後で映像加工が入るので、「これでいいじゃん!」ということになりかねないくらいのクオリティだと思います。
――イメージ体というのは、劇中に登場する半透明の妖精のようなタイガたちのことですね。
あれは本作における発明のひとつなんじゃないかなと思うんですよ。第1話のラストでヒロユキといっしょにザンドリアス母子を見送るシーンの撮影をするときに思いついたんです。台本では、タイガは声だけが聞こえる想定だったんですが、やはり横にいた方がいいんじゃないかという話になり、他の人には見えないけどヒロユキには見える「イメージ体」として立たせることを思いつきました。イメージだから大きさも臨機応変に変えられる。設定上同時に変身することのできないタイガ、タイタス、フーマを並び立たせることもできる。3人でわちゃわちゃできるぞと。オールGB(グリーンバック)なので、オフィスの凹凸に合わせてグリーンの箱を置いたりしなきゃいけませんし、合成カットも増えるので、撮影は大変ですけどね。でも、各監督さんも視聴者の皆さんも楽しんで下さっているようなので、僕自身としては「うまくいったな」という気がしています。
――撮影の現場で、スタッフへの説明にこのようなフィギュアを使われることは?
たぶんULTRA-ACTだと思うんですけど、メビウスとヒカリのフィギュアが現場にあって、打ち合わせのときなどはそれを使っていました。ソフビではできないポーズや動きが付けられますから、「今こういう状況ですよ」と説明するには重宝しています。それに、絵コンテを描くときなんかもあるといいなと思いますね。たとえば膝立ちのポーズを背中側から描きたいとき、自分でポーズをとっても背中は見えないし、都合よくモデルになってくれる人が近くにいるとも限らない。こういうものがひとつあると助かるのになと思いながら、今まで持っていなかったので、発売されたら1個買います(笑)。
――S.H.Figuartsで商品化してほしいキャラクターはありますか?
僕は怪獣が好きなので、一推しは『ウルトラマンオーブ』の合体魔王獣ゼッパンドンですね。ジャグラーが動かしているせいでやたらと人間臭い動きをしますし、造形もすごく気に入っているんです。色んなこだわりをいっぱい入れさせてもらった怪獣ですから、もしこのシリーズで出していただけたら値段に関わらず即買いしますよ。ゼットン、パンドン、ゼッパンドンと、是非3つ並べたい(笑)。他には、『ウルトラマンジード』の時空破壊神ゼガンや、『タイガ』の登場怪獣だと惑星守護神ギガデロス。なんだか「神」ばっかりですが(笑)、ギガデロスもシルエットがS.H.Figuarts向きなんじゃないかなと思いますよ。『タイガ』第1話の最凶獣ヘルベロスも良い顔をしていますし、自分がデザイン段階から関わった怪獣はみんな好きですね。ソフビでは出ているんですが、S.H.Figuartsで欲しいです。
――今回の商品化に当たって、一言メッセージをお願いします。
やっぱり「あなたのそばにウルトラマン!」ですね(笑)。イメージ体として、部屋のその辺にいさせたい。色んなポーズをとれる可動性を持っていますから、日常の机周りに面白いポーズで腰かけたりぶら下がったり、思い思いの体勢で置いておくと楽しいですよ。そんなインテリア小物としても良いアイテムだと思います。日常の中にウルトラマン。まさにイメージ体と一緒に生活しているような気分が味わえるんじゃないでしょうか。僕はそうやって遊ばせてもらいます。皆さんもそんな感じで楽しんでいただけけたら嬉しいですね。
――TVシリーズもいよいよ佳境ですね。
終盤は、割とギリギリまで一話完結スタイルが続いていて、最後の2話でドーン! と来る感じになります。ずっとテーマにしてきた宇宙人との共存共栄問題が果たしてどうなるのか、彼らがそこにどう決着をつけるのか、というところが主軸になってくるんですが、最後は「そう来るか!」というちょっと驚きの展開になるんじゃないかと思います。ラスボスが出てきてそれを倒して大団円というセオリーを微妙に外しながら、今までの各話でずっと積み重ねてきた色んなことが「あ、そういうことか!」と気持ちよく回収されていく。そんな最終回にしようと、スタッフ一同頑張っているところです。
――オンエアを楽しみにしております。本日はありがとうございました。
市野龍一(いちの・りゅういち)
1962年10月29日生まれ、兵庫県出身。上智大学卒業後、横浜放送映画専門学院(現:日本映画大学)に入学。ドラマ『うちの子にかぎって』のスペシャル番組「金曜日の子供たちへ 水戸黄門と夢の共演!! 京都修学旅行大騒動」(1986)4th助監督で初現場を踏み、以降様々なドラマを経験。『はいすくーる落書2』(1990)第10話で監督デビューを果たす。円谷プロダクションには『ウルトラマンガイア』(1999)から参加。他の代表作に『ブースカ!ブースカ!!』(1999)、『超星艦隊セイザーX』(2005)、『風魔の小次郎』(2007)、『ウルトラマンオーブ』(2016)などがある。
©円谷プロ ©ウルトラマンタイガ製作委員会・テレビ東京
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