新規デジラマビジュアル追加公開!!
『機動戦士ガンダム』のモビルスーツ設定を掘り下げる形でクロスメディア展開された企画「MSV(モビルスーツバリエーション)」。メカデザインを担当した大河原邦男氏が描くイラストとその機体にまつわる設定が雑誌や書籍で発表され、そのデザインはその後プラモデルとしても立体化されていった。「MSV」のプラモデルシリーズは1983年から84年にかけてリリースされ、30種以上にも及ぶアイテムが発売されている。しかし、MSVは設定画が発表されたすべての機体がプラモデル化された訳ではない。中でも、「MS-06W 一般作業型ザク」は、当時プラモデルの発売予定が発表されながらも商品化には至らなかったという不遇のMSVであった。
その幻の機体が、ROBOT魂 ver. A.N.I.M.E.で、設定に描かれたギミックの数々を再現する形で待望の商品化実現! 右腕のショベルや左腕のウインチは展開状態が再現可能。背部のコンテナラックには付属のコンテナを積載できるなど、作業シーンの再現に注力された仕様となっている。発売済みの地上用モビルスーツと組み合わせることで、シチュエーション再現のイメージがより大きく広がる存在といえるだろう。
※2019年2月現在
一年戦争初期より戦場に投入され、兵器の在り方を大きく変えるに至った鋼の巨人・モビルスーツ。戦場における主力兵器としてモビルスーツが欠かせない存在になれば、整備・運用する側も大きく変化することになる。モビルスーツ用の武装や整備用部品、破損したモビルスーツ本体を運ぶなど、軍隊を後方支援する側もその作業にモビルスーツを使用することは当然のことと言えただろう。また、地球の重力下において、塹壕堀りやトーチカ、バリケードの建設などにも、作業用重機以上に細かい作業ができるモビルスーツを用いることが後方支援や工兵活動の効率化に繋がるという側面もあった。MS-06W 一般作業型ザクは、そうした要望の中で、より効率的にジオン公国軍の地上部隊の後方支援作業を行うべく誕生した機体である。
地球侵攻作戦において地上に降下したジオン公国軍は、限られた資源・資産で前線を維持するため、大きく破損こそしていないものの兵器としては前線に出せないモビルスーツの部品と、作業用の重機とを組み合わせることで、現地急造的な作業用のモビルスーツを作り上げた。一年戦争の中期において、アジア西部からアフリカ戦線で使用されたとされる一般作業型ザクは、ベースには旧型となってしまったMS-05 ザクIを使用。一部にはMS-06 ザクIIやMS-07 グフなどの部品も使われていた機体もあったという。コックピット部分は、生身で作業をする整備兵たちとの直接的なやり取りが可能で、かつ目視しながらの操縦をしやすいよう、作業用重機のコックピットを流用した張り出し型のものを配置している。防御能力は不要であるため、肩部の装甲を取り外して可動範囲を拡大し、左前腕部には物資吊り下げ用のウインチ、右腕部には建築作業などに使う大型のショベルを装着。スラスターを内蔵するバックパックは取り外され、その代わりにコンテナなどを積載可能なコンテナラックを背部と腰部に追加するなど、整備運用の現場での作業性が重視された機体仕様となっていた。塗装に関しても、基地内での使用が前提となっているため、目視しやすい重機然とした明るいカラーリングが施されている。型式番号こそMS-06Wとなっているが、これは識別用に便宜的につけられたもので制式なものではない。また、きちんとした設計のもと量産されたのではなく、前線で寄せ集めの部品を使った現地改修型の機体であるため、用途や使用された部品によって形状が異なる機体も存在していたとされるが、公式な確認例は少ない。
戦闘用のモビルスーツの様に、前線において敵部隊と激しく戦う華々しい活躍はしなかったものの、こうした支援用の機体によって支えられていたからこそ、エースパイロットたちも大きな戦果をあげることができたということは間違いないだろう。
バックパックが取り外された背部と腰部にはコンテナラックが追加され、コンテナを積載できる。
ステーパーツで、小型コンテナを背負うことも可能。
さらに、左前腕部には物資吊り下げ用のウインチが装着されている。
バンダイが長年蓄積してきた技術と、ロボットを愛する心=“ロボット魂”が創りだしたハイターゲット向けロボットフィギュア。最先端のCAD技術+造形職人の匠の技が織りなす“造形の妙”で、数々のロボットを圧倒的な完成度で立体化する。